2026年5月期は、売上高が前年同期比24.4%増と順調に拡大し、調整後営業利益* は同137.0%増と大きく伸長しました。主力サービスの「Sansan」が堅調な成長を継続するとともに、「Bill One」も高い成長率を維持する等、各サービスが着実に成長しました。加えて、収益性も大きく向上し、売上成長と収益性の両面で進展を遂げた1年となりました。
2026年5月期を通じて私が強い手応えを感じたのが、生成AIによる事業機会の広がりです。生成AIの進化によって、これまでコンセプトとして描いていたサービスの可能性を、具体的なユースケースとして実現できるようになってきました。CEOであると同時にCPOとして日々プロダクトに向き合う中で、生成AIは当社のサービスを代替するものではなく、むしろ提供できる価値やケイパビリティを大きく広げるものだという確信を強めています。
例えば、営業AXサービス「Sansan」では、生成AIの活用によって、商談準備における新たなユースケースが広がっています。現在では、名刺情報に加えて、過去の商談履歴や契約情報等のデータを組み合わせることで、相手企業との関係性を踏まえた必要な情報を整理・提示できるようになっています。また、経理AXサービス「Bill One」でも、AIによって「なくせる」業務の範囲が広がっています。具体的には、請求書受領から経費、債権管理へと提供価値を拡大し、その先には月次決算の自動化も見据えています。
こうしたサービスの進化を支えているのが、当社が創業以来向き合ってきた「ビジネスデータ」です。企業が生成AIを有効に活用するためには、各社が固有に保有するデータが欠かせません。当社のサービスは、名刺、請求書、契約書等、企業活動の中で生まれる情報を正確にデータ化し、正規化・構造化されたビジネスデータとして蓄積します。生成AIの進化によって、こうしたビジネスデータの価値は今後さらに高まっていくと考えています。
また、それぞれのサービスが持つビジネスデータを横断的に活用することで、個々のサービスの進化に留まらない新たな価値を生み出すことも可能になります。「Sansan」「Bill One」「Contract One」等のデータを、ユーザー企業が保有するさまざまな情報と組み合わせることで、より幅広い業務課題の解決につなげることができます。
生成AIが今後どのように進化していくのかを正確に予測することはできません。一方で、当社が培ってきたビジネスデータの強みを生かすことで、既存サービスの提供価値をさらに高めるとともに、新たな事業機会を生み出していけると考えています。生成AIという大きな変化を具体的な成長へとつなげてまいります。
ステークホルダーの皆さまには、引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年9月
代表取締役社長/CEO/CPO 寺田 親弘
*営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)