イノベーションを生み出し続ける「ビジネスインフラ」としてのSansanへ

当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げて事業を展開してきました。そして、2021年の年頭に、創業して以来初めて、会社として目指すべき姿を言葉にした、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げることにしました。これまで私たちが創造してきたサービスやその提供価値は、既存のものを模倣したわけではなく、全く新しい文化や習慣の提案を目指してきたものです。誰しもが便利だと分かっていても、新しい何かを始めることには抵抗感を持つものですが、私たちはユーザーに受け入れられるよう、地道なアプローチや努力を重ねながら市場を創出し、拡大させてきました。このような挑戦を継続していくことで、私たちは、ビジネスシーンにおいてイノベーションと呼ばれる新しい文化や習慣を生み出し続ける、ビジネスインフラのような存在になることを目指しています。

 

当社グループは2007年の創業以来、紙の名刺をデータ化することに向き合い、法人向けクラウド名刺管理サービス市場で「Sansan」は83.5%のシェア*を有するサービスに成長しました。これまでを振り返ると、私たち自らの手で新たな価値を生み出し、ささやかながらではありますが、市場を創造しリードすることができたのだと考えております。また、私たちが培ってきた競争優位性である、アナログ情報をデジタル化するテクノロジーや仕組みを、名刺だけに留まらず、請求書や契約書といった領域に対しても展開し、新たな事業の創出とその拡大に取り組んできました。その結果として、2021年5月期の連結売上高は161億84百万円に拡大いたしました。

 

しかしながら、現状から将来に目を移すと、グローバル市場はもちろんのこと、国内市場においても、巨大な白地が残されています。新しく始めた請求書や契約書、ビジネスイベント領域におけるサービスに至っては、その成長余地の大きさは言うまでもありません。

 

新型コロナウイルス感染症が拡大して以降、世界経済や社会全体に急激な変化が起きました。社会に起きた短期的な変化として、ビジネスパーソンが直接交流する機会が減ったことで、交換される紙の名刺枚数も減りました。ビジネスプロフィールを交換したいという根源的な欲求に変化はないものの、その手段である紙の名刺交換が難しくなっており、その役割を補完できる新たな手段を生み出していくことが、私たちの役目だと考えています。また、中長期的な視点に立てば、名刺交換に限らず、人々のこれまでの習慣や行動の変容につながるような、オンラインを前提とした新たなサービス・機能を普及させる意味で、またとない機会とも捉えています。

 

「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、今後、私たちが取り組むべきことは、既存のクラウド名刺管理サービスの成長に加え、「出会い」に向き合い培ってきた私たちの強みを、隣接するビジネス領域に展開し、イノベーションを起こしていくことだと考えています。出会いの場であるビジネスイベントから始まり、出会った後の顧客情報の管理、そして、その後の契約書締結や請求書処理といった、出会いを起点に生まれるさまざまなビジネスフローに対して、効率化やデジタルトランスフォーメーションを促すサービスを提供することで、ビジネスシーンのこれまでの当たり前を1つひとつ変えていきます。

 

株主・投資家の皆さまにおかれましては、今後とも当社グループへのより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

2021年7月
代表取締役社長/CEO 寺田 親弘

 

 

* 名刺管理サービスと営業サービス(SFA/CRM/オンライン名刺交換)の最新動向(2020年12月 シード・プランニング調査)