2026年5月期は、売上高が前年同期比24.4%増、調整後営業利益* が137.0%増の過去最高益となりました。調整後営業利益率も15.7%となる等、収益構造は着実に改善し、2024年7月に発表した中期財務方針に照らしても、想定通りの着地となりました。こうした進捗を受けて、2027年5月期から2029年5月期までの新たな中期財務方針を公表し、3年間の売上高年平均成長率(CAGR)は16%~20%、2029年5月期の調整後営業利益率は25%~30%の方針としています。
当社は現在、異なる成長フェーズにある複数の事業を有しています。「Sansan」は安定した売上成長と高い収益性を実現し、グループの利益基盤へと進化しました。「Eight」は2期連続で黒字化を実現し、「Bill One」も高成長を続けながら、2027年5月期には通期での黒字化を見込んでいます。また、2026年5月期のフリーキャッシュフロー**は100億円に拡大し、今後も利益成長に伴ってキャッシュ創出力はさらに高まっていくと考えています。これらを踏まえ、現在の事業ポートフォリオは、成長性と収益性のバランスが取れた状態にあると捉えています。
こうした財務基盤の強化を受け、キャピタルアロケーションについては、成長機会に機動的に対応できる財務柔軟性を確保しながら、成長投資と株主還元を継続的に両立していく方針です。その中でも、引き続き事業拡大を最優先とし、既存事業や新規事業への投資を継続するとともに、成長戦略を加速する手段として、戦略的なM&Aも積極的に検討していきます。
2026年には、初めて本格的な株主還元を実施しました。2026年5月期末から2027年5月期初にかけて、取得対価総額約20億円の自己株式取得に加え、創業以来初となる配当を行い、これらを合わせた総還元性向は30%超となりました。今後も事業拡大を最優先としながら、株主還元を継続していきます。
企業価値の持続的な向上に向けては、「資本収益性の向上」と「適正評価の獲得」の両面から取り組みを進めています。2026年5月期のROEは38.8%となりましたが、今後も利益成長と適切なキャピタルアロケーションを通じて、資本収益性の向上を図っていきます。また、適正評価の獲得に向けては、資本コストの低減と期待成長率の向上の双方が重要だと考えています。業績予想の達成を積み重ね、資本市場からの信頼を高めることで、資本コストの低減につなげていきます。加えて、中期財務方針には織り込んでいないAIを活用した事業機会やM&A等を1つでも多く形にし、実際の業績として示すことで、期待成長率の向上を目指します。
今後も、成長性と収益性の両立を図りながら、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
2026年9月
取締役/執行役員/CFO 橋本宗之
* 営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)
** 営業キャッシュフロー-(有形固定資産の取得による支出+無形固定資産の取得による支出)。なお、営業キャッシュフローについては、自己株式取得に係る一時的な資金移動の影響を調整しています。