事業等のリスク

当社グループの事業及び財務・経理の状況等に影響を及ぼす事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しています。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社グループの株式に関する投資判断は、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、2020年8月27日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1)新型コロナウイルス感染症拡大について

新型コロナウイルス感染症拡大により、国内において緊急事態宣言が出される等、経済の先行きに対する不透明感が増加しています。現時点では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の及ぶ期間と程度を合理的に推定することは困難ですが、沈静化が遅滞した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、Sansan事業において、企業の投資行動が慎重化すること等による新規契約獲得ペースの鈍化や新規契約に係る一部の初期売上高の減少、オフラインの集客イベント開催ができないことによる商談数やリード数の減少等が生じる可能性があります。また、Eight事業においては、オフラインビジネスイベントの中止による売上高の減少、企業の採用活動の手控えによる採用サービスの成長鈍化等の可能性があります。

(2)インターネットの利用環境について

当社グループはインターネット関連事業を主たる事業対象としているため、インターネットの利用環境は当社グループ事業の基本的な条件です。インターネットの利用に関する新たな規制の導入や弊害の発生、その他予期せざる要因により、今後、インターネットの利用環境に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)クラウド事業について

クラウドとは、アプリケーション機能をインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウエア販売における新しい方法・概念として認知され、浸透が進みつつあります。その一方で、今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要が当社グループの予測を大きく下回る場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)競合について

当社グループは、機械学習等によって日々進化するテクノロジーと、人力の組み合わせによって名刺のデータ化を行っていますが、創業以来、大量の名刺を正確かつ効率的にデータ化する独自のシステムの開発・運営をし続けてきたことが競争力の源泉となっています。しかしながら、既存事業者との競争の激化や、新たな参入事業者の登場により競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)技術革新への対応について

当社グループは新技術の積極的な投入を行い、適時に独自のサービスを構築していく方針ではありますが、技術革新等への対応が遅れた場合や、予想外に開発費等の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)広告宣伝活動等の先行投資について

当社グループの手掛ける事業では、先行者メリットを活かしつつ売上高拡大を目指すため、広告宣伝活動や開発活動、営業体制の強化等において一定の先行投資が必要となります。特に、当社グループの知名度を高めるためのテレビコマーシャル等を中心とした広告宣伝投資は、新規ユーザー獲得に直接的に寄与することから、これまでも積極的に実施しています。

 

今後の広告宣伝活動については、その費用対効果を見ながら慎重に行っていく方針ですが、広告宣伝投資の方針によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)Eight事業について

当社グループのEight事業は、個人向けの無料サービスをベースとした名刺アプリを運営していますが、事業全体としては先行投資の段階にあることから、セグメント損失を計上しています。現在、Eight事業においてはBtoBサービス(企業向け有料プラン)の開発・展開に注力していますが、今後ユーザーの獲得やマネタイズ(収益化)方策の進捗等が計画通りに推移しない場合には、Eight事業の黒字化が遅滞し、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

(8)海外展開について

当社グループは、高い成長を実現するため海外展開を進めていく方針ですが、海外における名刺に関わる商習慣や事業環境の差異等を含め、国内における事業展開以上に高いリスクが存在することは否めず、そのリスクに対応しきれない場合や国内と比較してマーケットの開拓や収益化が想定通り進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報の取り扱いについて

当社グループは、当社グループ従業員の個人情報に加えて、当社グループが提供するサービスにおいてユーザーの個人情報、更にはユーザーが保有する第三者の個人情報に関与するケースがあります。当社グループは個人情報の取り扱いに関する重要性を十分に認識し、個人情報保護マネジメントシステムを構築・運用し、個人情報の管理に最大限の注意を払っており、また、2005年4月に全面施行された「個人情報の保護に関する法律」や、当局となる個人情報保護委員会が制定した「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」の要求事項の遵守に努めています。当社は、2007年10月、「個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項(JISQ15001:2017)」を満たす企業として、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」付与の認定を受け、その後2007年11月12日より2年毎に登録を更新しています。更に当社グループは、全従業員に一般財団法人全日本情報学習振興協会が認定する個人情報保護士の資格取得を強く推奨しています。


また、個人情報の取り扱いについては、国内の法令のみならず、EU一般データ保護規則(GDPR)をはじめとする海外における法令や規則(以下、「海外法令等」という)の適用を受けることがあります。当社グループでは適用可能性のある地域について現地法律事務所等を通じて必要な調査を実施し、加えて海外法令等の動向調査レポート等を利用する等して、海外法令等の情報を適宜収集し、これらを踏まえた必要な対策を講じています。


当社のサービスの提供に際しては、名刺のデータ化業務の一部を当社の責任において第三者となる業務委託先に再委託する場合があります。その場合においても、国内の法令及び海外法令等を遵守し、適切かつ合理的な方法で業務委託先の安全管理を行っています。


しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、自然災害や事故、外部からの悪意による不正アクセス行為及び内部の故意又は過失による顧客情報の漏洩、消失、改ざん又は不正利用等、万一当社グループ又は当社グループの業務委託先から個人情報が漏洩した場合には、信用の失墜又は損害賠償による損失が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)法令について

当社グループは、電気通信事業者として電気通信事業法及びプロバイダーとしてのプロバイダー責任制限法等の総務省所管法令等や、有料職業紹介事業者として職業安定法を始めとする厚生労働省所管の法令等、企業活動に関わる各種法令の規制を受けています。また、今後国内において新たにプライバシー関連法規の制定やインターネット関連事業者を規制する新たな法律等による法的規制の整備が行われる可能性があります。さらに、インターネットは国境を超えたネットワークであるため、海外諸国からの法的規制による影響を受けることも想定されることから、それらが将来的に当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)設備及びネットワークの安定性について

当社グループの事業を支えるサーバは、当社グループが契約するクラウドサービスプラットフォームで管理されており、複数のサーバによる負荷の分散、定期的なバックアップの実施等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組みを行っています。障害が発生した場合に備え、リアルタイムのアクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時にスタッフに通知する仕組みを整備しており、また、障害が発生したことを想定した復旧訓練も実施しています。


しかしながら、上記の取り組みにも関わらず、火災、地震等の自然災害や外的破損、人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象の発生により、万一、当社グループの設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、サービスの停止等を余儀なくされることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)システムインフラ等への投資について

当社グループは、事業の拡大に応じて、システムインフラ等への投資を実施、計画していますが、当社グループの想定を超える急激なユーザー数やアクセス数の増加や、インターネット技術の急速な進歩に伴い、予定していないハードウエアやソフトエアへの投資等が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)サービス等の不具合について

一般的に、高度なソフトウエアは不具合の発生を完全に解消することは不可能であると言われており、当社グループのアプリケーション、ソフトウエアやシステムにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。


今後も信頼度の高い開発体制を維持・構築してまいりますが、当社グループ事業の運用に支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)知的財産権の侵害等について

当社グループで開発・設計しているソフトウエアやプログラムは、当社グループが独自に開発・設計したものであり、当社グループは特許権侵害の調査等を、特許事務所を通じて行っています。


更に、当社グループはサービスの名称等について商標の出願、登録を行う等、第三者の商標権を侵害しないように留意しています。一部の商標については、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの等がありますが、これらについては当社グループとして必要な対応を行っているものと認識しています。


しかしながら、第三者から特許権侵害や商標権侵害を理由とする損害賠償請求や差止請求を受ける可能性は完全には否定できず、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。


また、当社グループが保有している知的財産権が第三者により侵害された場合には、法的措置を含めた対応を要するなど、当社グループの事業運営に影響が及ぶ可能性があります。

(15)経営管理体制の確立について

当社グループは、業容の拡大及び従業員の増加に合わせて内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図る予定ですが、適切な人的・組織的な対応ができずに、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)人材の育成及び確保について

当社グループは、積極的に優秀な人材を採用し、社内教育等を行うことによって体制の拡充を図っています。しかし、適切な人材を十分に確保できず、あるいは在職中の従業員が退職するなどした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、Sansan事業においては、今後の事業拡大に向け、特に営業人員の確保が必要となりますが、採用が計画どおり進まなかった場合、あるいは営業人員の流出が生じた場合には、事業拡大の制約となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)特定の人物への依存について

当社代表取締役である寺田親弘は、当社の設立者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしています。このため、当社グループは、同氏に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化を図っています。しかし、現状において、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)名刺及び名刺交換の位置づけについて

当社グループの提供するサービスは、名刺交換というビジネスシーンにおける慣習に依存しています。名刺交換という商習慣の変化及び技術革新等によって、名刺交換の重要性や名刺そのものの価値、文化的背景、顧客企業における名刺管理ポリシーや社会通念上の位置づけ等に変化が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(19)インセンティブの付与について

当社グループは、役員及び従業員のモチベーション向上のためストック・オプションを付与しており、2020年7月31日時点において、その数は897,917株、発行済株式総数の2.88%となっています。今後も、役員及び従業員のモチベーション向上のため、ストック・オプション導入等のインセンティブプランを継続する方針です。なお、これらストック・オプションが行使された場合、既存株主の株式価値を希薄化させる可能性があります。